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不動産投資における融資を徹底解明/有効的な申請方法や活用方法とは

不動産投資 融資

不動産投資を行う上で、融資は切り離すことができないカテゴリーです。

すでにご存じの方も多いと思いますが、融資の目的は資金不足を補う為だけにあるのではありません。融資をより適切に活用することで投資効率や資金効率を高めることができます。また、場合によっては、収益自体を向上させることも可能になります。

言うなれば、「どれだけ上手に融資を活用するか。」「どれだけ上手に金融機関とつきあうか。」によって投資の成功率が変わるといっても過言ではありません。

今回は不動産投資を行う上で非常に重要な融資について徹底的に解明していきます。

金融機関への有効的な申請方法やあまり知られていない節税効果など幅広い内容について紹介します。

これから不動産投資をされる方も、すでに複数の物件を所有されている方も読んで頂ければきっとお役にたてると思います。

不動産投資における融資の状況

不動産投資における融資の状況

融資を利用する上で、現在の融資の状況を把握することは非常に重要です。現在の融資の状況を解説します。

2013年以降堅調に推移していた不動産市況が転換点を迎えようとしています。起因となったのは次の二つの問題です。

  1. スルガ銀行による書類偽装問題
  2. アパートデベロッパーによる書類改ざんや耐震偽装問題

特にスルガ銀行による書類偽装は不動産融資の動向に大きな変化をもたらしました。スルガ銀行の耐震偽装を受けて金融庁は「地方銀行を対象に投資用不動産の融資に対する調査」の開始を決めたのです。

銀行にとって一番怖いのは、行政処分が下されることです。仮にスルガ銀行同様に行政処分が下されれば、信用は失墜し経営の屋台骨を揺るがす事態に発展してしまいます。金融庁の検査を無事通過する為にも、少しでも問題のある案件には融資を行わない対策が考えられます。

またスルガ銀行は、他の銀行では融資ができない投資家にも、積極的に融資を行ってきた側面もありました。

スルガ銀行が新規の融資を停止したことで、不動産投資自体の需要が減少することは否めません。需要の減少は不動産市況の悪化を招き、より融資が引き締められる可能性もあります。

今後の不動産投資への融資は、非常に厳しい状況となる可能性は否定できません。

不動産投資をする上での融資と自己資金

不動産投資をする上での融資と自己資金

不動産投資を行う上で、融資と自己資金の割合を考えることはとても大切です。

もし「融資は足りない自己資金を補うものであって、自己資金に余裕があれば融資は必要ない。」という考えの方が居られたら、その考えは改める必要があるかも知れません。融資のメリットとデメリットを「費用面」「税制面」「収益面」で考えてみます。

費用面における優劣

融資を受ける場合、自己資金による購入に比べて費用がかかります。

もちろん金利もそうですが抵当権が設定される為、登記費用においても余分にかかります。抵当権設定にかかる登録免許税は設定額の0.4%とされています。

投資物件の場合、自己居住用ではありませんので軽減処置も原則利用できません。例えば3,000円の融資を受けた場合では12万円の費用になります。

税制面における優劣

融資を受けて不動産投資をする税制面のメリットとして「家賃収入に対する節税」が考えられます。

負担しなくてはならない金利は経費として算入が可能です。特に一般的に選ばれる元利均等返済では、返済初期において返済額に占める金利部分の比率が高くなります。減価償却との相乗効果により高い節税効果が得られる可能性があります。

また、家賃収入は給与所得などと通算される総合課税となっています。リフームなどを定期的に行い、不動産収入をマイナスにすることで全体の所得を減らすことも可能です。

リフォームを行えば物件の価値が向上し、売却時における譲渡所得にかかる税金は上がる可能性があります。しかし個人の場合、売却時の税金は分離課税ですのでその他の所得には影響を与えません。

融資における税制面の注意点とすれば、返済後期においては返済額の大半が元金部分となり経費に算入できる金利部分は少なくなります。

また、物件自体も築年数を重ねますので空室リスクや修繕リスクが高まっています。場合によっては税負担が重くのしかかる可能性は否定できません。

IRRによる分析

融資を受けて不動産取引を行う目的として、資金効率や投資効率の向上を目指すことがあげられます。では本当に融資を組み合わせることで、これらの効率を向上することが可能なのでしょうか?

投資効率を測る上で有効な指標にIRRと呼ばれるものがあります。投資物件を自己資金のみで購入した場合と、融資を活用した場合で検証をしてみたいと思います。

♦ IRR(内部収益率)とは ♦

投資プロジェクトの価値はその投資が将来生み出すキャッシュフロー(CF)の現在価値と捉えることが出来ます。

IRRとは投資から得られるキャッシュ・イン・フローの現在価値の合計と、投資をするために必要なキャッシュ・アウト・フローの現在価値の合計額を等しくする割引率です。IRRが高いということは、将来生み出されるキャッシュフローの収益率が高いことを意味します。

【購入物件 4,000万円 年間家賃収入 350万円 保有期間 15年 売却予定価格 2,500万円】のIRRを比べてみます。融資の条件は【金利 2% 返済期間 15年 元利均等返済】とします。

年数 自己資金100%時のCF 自己資金50%時のCF 自己資金25%時のCF
投資時点(t=0) -4,000万円 -2,000万円 -1,000万円
1年後 350万円 195.5万円 118.3万円
2年後 350万円 195.5万円 118.3万円
3年後 350万円 195.5万円 118.3万円
4年後 350万円 195.5万円 118.3万円
・・・ ・・・ ・・・
14年後 350万円 195.5万円 118.3万円
15年後 2,850万円 2695.5万円 2618.3万円
IRR 7.3% 10.5% 15.0%
※毎年のCFは年間家賃収入から返済額を差し引いたものです。

測定では確かに融資比率を増やしていくことでIRRが上昇することがわかります。しかし、注意をしなくてはならない点もあります。

実際の不動産投資では、物件の購入費用以外にも登記代や仲介手数料などの費用が発生します。

また、毎年発生する固定資産税や都市計画税も考慮しなくてはなりません。それによってCFは減少してしまいます。さらには、空室リスクや予想外の修繕費の発生も考えておかなくてはなりません。

融資比率を高めれば収益率は向上します。

しかし、返済額も増加することから毎年のCFは減少します。収益率の向上のみを考え比率を決めてしまうと、不測の事態が発生した場合に資金の捻出が困難になる可能性があります。

購入物件の築年数や戸数などに応じて比率を定める必要があります。

一般的にIRRは8%が投資をするかしないかの目安とされています。築年数が大きく経過している物件や痛みが激しい物件ではより高い利率が求められます。

IRRはエクセルにて比較的簡単に算出できるので、投資を行う際には自身で計算を行いましょう。

不動産投資で融資を受ける為に必要な条件

不動産投資で融資を受ける為に必要な条件

当然のことですが融資を受ける為には、銀行の審査があります。では銀行は融資の可否をどのように判断しているのでしょうか?銀行は次の3点をトータルで判断しています。

  • ① 融資を受ける人の信用度
  • ② 物件の収益性
  • ③ 物件自体の評価

銀行はトータルで判断するものの、初めて融資を受ける方や不動産投資をして間もない方はが非常に重要視されます。

どれだけ高い収益性や評価額からみて割安な物件だったとしても、融資を受ける投資家の与信が低ければ融資実行は困難なものになります。

審査が通りやすい人とそうではない人の違い

個人の与信力は「年収」と「資産」により決定されます。資産の中でも、流動性が高い金融資産は与信力を決定する上で重要な要素となります。

一般的に審査が通りやすいとされているのは、次の方々です。

  • 医師や弁護士、公認会計士などの専門性が非常に高く年収が高い職種の方
  • 公務員や一部上場企業などの安定性が高い企業の方
  • 自己破産の際に資格制限がある職種の方

では、反対に審査が通りにくいのはどのような方でしょうか?

  • 自営業の方
  • 返済額が年収の30%を超える借入がすでにある方

自営業の方は、現時点で高い収入があったとしても銀行は継続性を重視します。

また節税対策により、あえて収益を低くされている方もいます。自営業の方が不動産融資を申し込む際は、金融資産をある程度蓄えておく必要があります。

またいくら年収が高くても、すでに住宅ローンや開業資金等の借入により返済額が年収の一定以上ある場合、審査は難しいものになります。この場合、繰上げ返済をするなどの対策が必要になるかも知れません。例えば銀行は同じ純資産700万円でも【現金 1,000万円 借入 300万円】と【現金 700万円 借入 0円】では後者を評価する傾向にあります。

審査が通りにくい物件とは

住宅ローンの審査では、実は物件自体の評価はさほど審査に影響を与えません。

もちろん既存宅地ではない市街化調整区域や、建築基準法により再建築ができない物件であれば話は別ですが、よほどのことがない限り物件の審査は通ります。しかし投資物件ではそうはいきません。

銀行への返済が滞ると最終的には競売にかけられることになります。この場合において、物件自体の評価は銀行にとっては非常に重要になります。

では、審査が通りにくい物件とはどのような物件でしょうか?

  • 空室が多い物件
  • 法定耐用年数を大きく超過している物件(特に昭和56年以前)
  • 土地の評価が低い場所に立地している

現状で空室率の高い物件は毎月の家賃収入より返済額が上回る可能性があります。

当初より返済額を家賃で補えないケースでは銀行は二の足を踏んでしまいます。

では、空室が多いゆえに評価額より安く購入できる物件に関してはどうでしょうか?これは上記の銀行の判断基準で②は満たしていないけど③はクリアをしているケースです。

この場合は、初めて不動産投資をする投資家や経験が浅い投資家は、融資は難しいかもしれません。

申請時に事業計画書を提出し、満室にするまでの計画や方法を銀行に説明したとしても、銀行は「素人のあなたに本当にそれが可能ですか?」と考える可能性が高いです。

空室は多いが、価格が魅力的な物件は、自己資金の割合を高め投資を行う方がうまくいく可能性が高いです。

また、法定耐用年数を大きく超過している物件も融資は受けにくいと言えます。

仮に審査が通ったとしても、10年以上の借入は難しいことが多いです。特に昭和56年以前の建物は旧耐震基準の建物になりますので、審査は厳しいものになります。

法人化による不動産投資

法人化による不動産投資

不動産投資における戦略として、投資事業や賃貸業務を法人化する方法があります。個人による投資から法人による投資に切り替えることで得られるメリットとデメリットを解説します。

法人化によるメリットとデメリット

一般的によく知られているメリットに経費に計上できる範囲が広がることがあげられます。

しかしメリットはこれだけではありません。法人化により得られるメリットは多岐にわたります。

  • 譲渡所得にかかる税金
  • 日本政策金融公庫

個人が不動産を売却し譲渡益が生じた場合、所有期間が5年以下であれば所得税・住民税・復興特別所得税を合わせて39.63%がかかります。

また5年超の所有であれば税率は20.315%となります。そして譲渡所得にかかる税金は、他の所得と通算ができない分離課税となっています。

一方法人が不動産を売却し譲渡益が出た場合は、法人税として処理されます。すなわち不動産の売却益もそれ以外の事業で得た利益も同じ扱いになります。個人と違い、所有期間によって税率が変わることはありません。

法人実効税率がおよそ30%であることを考えると、まず5年以内の短期譲渡に関しては法人による売買が有効なことがわかります。

また長期譲渡に関しては税率だけを見ると10%ほど法人実効税率の方が高いものの、経費に計上できる範囲が広がることを考えるとそこまでの差が広がらないことが多いです。

また法人の場合9年間損失を繰り越せるのもメリットです。

融資を受ける際、日本政策金融公庫は魅力的な貸し手です。金利が低めに設定されていることもありますが、登記費用の面でも優遇処置があります。

一般的に抵当権や根抵当権が設定される時、所有権移転登記とは別に債権額に応じて登録免許税がかかります。

しかし日本政策金融公庫からの融資では抵当権に関しては登録免許税がかかりません。法人化をすることで、より政策金融公庫は利用がしやすくなります。

反対に法人化によるデメリットは、何と言っても設立費と法人住民税があげられます。特に法人住民税は均等割り分がありますので、利益が出ていなくても一定額は毎期支払わなくてはいけません。

まとめ

不動産投資における融資の役割は非常に重要です。最後に有効的な融資比率の定め方と融資の申請方法をまとめてみました。

■ 融資比率の定め方 ■

  1. 物件の購入にかかる費用の算出(物件価格・手数料・登記代・不動産取得税など)
  2. 年間の家賃収入から公租公課と家賃収入の10%~25%を修繕予定費として差引く(築年数が古いほど比率は上がります。)
  3. 自身が望むCFをII.の収入と返済額から導き融資額を算出
  4. 収益性を測定し投資するに値するかを判断

■ 有効的な申請方法 ■

  1. すでに住宅ローン等、他の借入がある場合はその金融機関を利用する
  2. 事業計画書には客観的なデータを記載する
  3. 管理を依頼する業者や仲介をする業者に同席してもらう

特に有効的なのはIII.になります。いくら「家賃設定」「募集方法」「収益の継続性」などを客観的に記載したとしても、銀行側からすれば「で、本当に出来るの?」となってしまいます。

プロに直接説明してもらうことで事業計画書に信憑性を待たせることが可能になります。